私が勤めている会社では、3月に社員が一人辞めてから、ハローワークに求人を出している。
面接の希望がぽつぽつ来るが、すべて50代の男性だった。
自分だって再就職の難しい高齢者であるが、ちょっと棚に上げて、つくづく50代の再就職は難しいと思う。
ハローワークでは、求人に年齢制限、男女の制限が出来ない
会社の仕事は、ある資格が必要で、そのためには教育も費用も日数もかかる。
そうなると、元を取りたいのは人情で、できるだけ若くて素直で見目の良い子を採用したい。
だから、せめて、20代後半~30代前半、男の子、という制限を付けたいところである。
しかし、年齢制限をつけられないので、50代~60代でも、一応面接させて頂く。
面接する会社側は、もしかして、50代でもびっくりするほど素晴らしい人が来るかもしれない・・なんて期待もちょっぴりしている。
50代の再就職でも給与は新入社員
勿論、求人票を見ておいでになるので、給与は承知しているのだろうが、年齢に関係無く新入社員の金額から始まる。
その金額、大凡20万円+α
50代の二人以上の生活費は約39万円((出典)総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」)というところから見ると、ほぼ半額である。
これでは、生活はとても厳しい。
年金も同時受給するにも10年以上かかる。
妻が30万円/月以上の所得が有れば良いけれど、こんな田舎では、それも難しいと思う。
正社員、年齢制限なしの記載で応募されたのだろうが、現実になると生活という壁が厚い。
50代でこの給与では、早晩に次の職場へ動くだろう。
特殊技術等が無い、新しい分野への再就職はつくづく難しい。
50代になれば、風格が出てくる
10代や20代のみーちゃん、はーちゃんではなく、50代ともなれば、男性でも女性でもいろんな波風をしのいでくるので、自ずと風格が出てくる。
それは、良く言えば頼もしさ、悪く言えば海千山千。
それと、再就職を希望するのだから当然であるが、前職を辞めている。
前職の辞め方も若干問題になる。
会社の方針に合わない等々という事は、新しい会社にも合わない可能性がある。
それは、自分の意見をしっかり持っているということでもあるが、できれば、先輩の意見を素直に聞いてくれる人が良い。
なかなか、知らない職場とはいえ、20代、30代の先輩にはいはいとは言いにくい。
今回の方は、面接にクロックスのサンダルで来られた。
トータルに見て服装のバランスはとれているのだが、クロックスのサンダルで面接か~~と思う。
それが出来ちゃうのが50代なんだろうか。
定年まで後わずか・・
会社は65歳定年だけれど、実地を学んで、資格を取って、戦力となるには2,3年かかる。
そして、働き盛りは10年足らずというのは、やはり淋しい。
30年くらいは働いて欲しいと思う会社の気持ちはわかる。
最後に・・
私はもっと高齢者で、今の職場にいるからこそ、この給与でこの待遇を得ている。
慣れた仕事だし、僅かな定期昇給でも、10年、20年と勤めるとある程度にはなる。
私の様に特に才能もない人間には、今ある場所で続けるということが大切なのだと再確認する。
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面接にはどうかと思うけれど、最近あちこちで見かける