華寿過ぎて・・・これからの準備

華寿(70歳)を過ぎた独身女性、子供の無い不安、生活苦、節約、貯蓄など、時々生活の楽しみも書いています。

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星々の宴を祝おうー草野丈吉の「朝星夜星」

やっとお中元の手配は済んで、ほっと一息だ。

昨夜は男子バレーを見ていて、ヒヤヒヤした。

メンバーも連日の疲れが出てか、土日と連敗してしまった。

でも頑張ったよね。

 

そんな呑気な事を言っていると、TVで九州の災害を映している。

本当に大変で、お気の毒だ。心からお見舞い申し上げる。

もし私の自宅に何かが有ったら、その始末もできないし、勿論家を建て直すなんて事もできない。

 

「朝星夜星」を読み終わる。

ここでも大阪の大水災害が出ていた。なんて思い出している。

朝星夜星

主人公は日本で初めての西洋式ホテルを建てた「草野丈吉」が主人公で、妻「ゆき」の視点で語られている。

草野丈吉は、49歳で没している。

作中には、五代友厚陸奥宗光後藤象二郎岩崎弥太郎など、そうそうたる明治の人達が登場するが、皆若くして没している。

陸奥宗光は54歳だ。

 

前半は「草野丈吉」が「自由亭ホテル」を建設するまでとなっているが、後半はその後の妻「ゆき」と子供達の物語である。

心を打たれるのは、皆早くに亡くなる。

丈吉亡き後、娘「錦」の力となってくれた「星丘」は50にならず没した。

その養子「安太」は25歳、娘の「有」は29歳で亡くなっている。

 

「ゆき」自身は長生きしたようだけれど、長生きするという事は身近な人を多く見送るという事だ。

その意味では、まだ自分より若い世代(甥や甥の子供達)を、誰も見送らずに済んでいるのは幸せだと言える。

丈吉は24歳で妻ゆきと結婚し、49歳で亡くなった。

「朝星夜星」で二人して働いたのは、たったの25年である。

それを考えると、私のこれからの20年は長いのか、短いのか。

何かができる時間なのか、ただ老いる時間なのか?

私にとっては、なかなか難しい問題だ。

 

それにしても、作者の「朝井まかて」氏の着想力には頭が下がる。

彼女は題材を選び、それを生き生きとこの世界に呼び戻す。

 

最後に

星々の宴を祝おう

という言葉に、単に食べ物を作るというだけでないロマンを感じる。

 

とても読み応えのある作品だった。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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