友人の義兄さんの話です。
彼は、食べ物が喉を通りにくくなったから、ちょっと検査してくるわ。
と、言って出かけたのですが、結果は喉頭がんでした。
ご家族と相談して来て下さい。という医師の言葉だったそうです。
友人は、ショックを隠し切れません。
だって、彼女のお姉さんは、すでに亡くなって、子供たちもそれぞれの家庭を持ち、義兄さんは一人暮らしなんです。
年齢は80歳。年金と少しの仕事をしながら暮らしています。
でも、その生活は、健康だからこそ成り立っているものです。
生活だってギリギリだと思う。
毎日、夜8時過ぎ、電話が彼女にかかってきます。
お酒をちょっと飲んで、ちょっと淋しくなって、誰かの声を聴きたいのでしょう。
ほんの2言、3言話すだけだそうです。
子供たちには、まだ話さないで欲しいと言われたそうで、それも彼女は悩んでいます。
早く治療にかからなければいけないのに・・。
本人は夏過ぎて・・などとのんきな事を言っている。と、怒っていますが、多分お金の心配やら何やらで、すぐ治療などとはいかないのでしょう。
実は、彼は20年ほど前、事業上で失敗をしました。
その時に資金繰りのため、娘や息子を保証人にしたことが有るのです。
それを子供たちは、20年経っても背負い続けているのです。
だから、迷惑をかけたくない・・と思っているのでしょう。
一度躓くと、そこから立ち直るのは、本当に大変です。
今、コロナ禍で、多くの人が崖っぷちに立っているでしょう。
本当に、その崖底から、0地点まで戻るのは一苦労。
だから、彼自身には不測の事態への蓄えなんて無いと思います。
彼の息子も父親の連帯保証を被って、一生懸命に返済していて家計も大変。
妻にも時々文句を言われている状態。
そんな中で、父親の治療費を援助するなんて、殆ど無理な気がします。
男って、妻に財布を握られている事が多いでしょ。
妻に内緒で、父親に医療費の援助として、数十万のお金を出すのは無理だろうなぁ。
そして、これから治療後の生活費の問題もある。
援助し続けるのは難しい。
でも、息子も娘もいるんだしなぁ。
国は自助、共助、公助とか言っているしなぁ。
助けてくれないだろうなぁ。
こんな高齢者、沢山いるんじゃないのかな。
自分も含めて溜息がでるな。
最後までお読みいただきありがとうございました。