3歳の周作とその父、幼い周作の面倒を見た村瀬、周作の母。どこにでも有りそうな家族を巡る、ある物語。誰も悪人じゃないのに・・・
2.皆瀬(周作を可愛がってくれたホームヘルパー)
皆瀬は、いつか母が迎えに来てくれると信じて、18歳まで養護施設で待っていた。
しかし、母は迎えに来なかった。だから、周作とその父松宮は、皆瀬が初めて持った家族だった。
周作の父親の疲労する姿を見かねて、周作の世話をすることになる。
仕事に疲れる松宮の代わりに家事をして、食事を作り、周作を寝かしつける。
松宮に頼りにされ、周作に懐かれる。それに喜びと自分の居場所を感じている。
そんな彼を批判できる人がいるだろうか。
三歳の周作がプレゼントした「なんでも券」を握りしめて泣く村瀬。
実は私には夫も子供も無い(と、わざわざ言う程のものでも無いが)。
一番身近な子供と言うとチビ娘である。
時々、何故かとても愛おしいと思う事が有る。
遺伝子のなせる業かとも思う。だって、一番近い若い遺伝子を残そうと思っているのかもしれない。
が、そんな時、姉の言葉「あんたの孫じゃない」という言葉を思い出し、ちょっと頭を冷やす。
だから皆瀬が周作に溺れていく気持ちがわかる。
小さな子供は可愛いものね。
25年後に逢えた周作に「夢の時間だったのだ・・」と言って「幸せになってください」という言葉だけ残し姿を消した皆瀬。
25年間の間に、なぜ彼は自分の家族を持とうとは思わなかったのだろう。
夢の時間と言いながら、周作と暮らしたほんの半年ほどの時間だけが、彼のリアルな世界だったのだろうか。
わからない・・
しかし、私が解ろうが、わかるまいが、どう生きようと「おれの人生だ」と村瀬はいうだろうか。
最後はちょっとあまりにも調子のよい展開だけれど、円満に幸せになれてめでたし、めでたし。
audibleで聴いたのだが、皆瀬役の声優の声が凄く良い。
周作の頭を撫でながら「大丈夫だよ」と背中をたたいてくれる、その声を聴きながら、周作と自分がシンクロしてあやされている気がする。
後半の皆瀬の声を聴くだけでも、価値あり。
明日は周作の父親について
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遺伝子の声に負けて、チビ娘に柿の葉寿司を送る。
何と今、3000円以上で送料無料である。
ちょっとお得です。
柿の葉寿司は子供には渋いなぁ・・とか思いながら、ピコピコ踊るLINEの画像に負けてしまう。お馬鹿ちゃんリンである。
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最後までお読みいただきありがとうございました。