3歳の周作とその父、幼い周作の面倒を見た村瀬、周作の母。どこにでも有りそうな家族を巡る、ある物語。誰も悪人じゃないのに・・・
面白かった本は他にも有りましたよ。でも、その面白さって「ああ面白かった!」と表現すれば終わりそうなんです。この「ウズタマ」は、その面白さを解説したくなるくらい、胸にちょっとジンと来ちゃったのです。今、私が淋しさを感じているからかもしれない。
1.周作の母
2.皆瀬(周作を可愛がってくれたホームヘルパー)
3.周作の父
4.周作と紫織
5.「ウズタマ」の秘密
1.周作の母
言葉の遅い周作を案じて育児ノイローゼとなる。
両親の介護の為、周作と夫を残して実家へ帰るものの、時々帰宅する。やはり夫と周作が気になるのだろう。
有る時、突然帰宅してみると、夫と周作と村瀬が幸せそうに暮らしている姿に逆上し、包丁を取って夫と揉み合う内に転倒し死ぬ。
初めての子供が発育が遅いのではと悩む母親に、仕事が忙しいと相談にのってくれない夫。
泣き止まない息子、野菜を食べない息子にヒステリーを起こし手をあげる母親。
こんなに私は一生懸命なのに、息子と夫は、なぜ他人と幸せそうに笑って暮らしているのだ??
そこにいるのはあんた(村瀬)じゃない!!出ていけ!!
これは、もしかしたら私の姿だ。
こんな場面に遭遇した時、私はいつも瞬間冷凍してしまう。
どうしたら良かったのかもわからない。
ただただ固まる。
どこかで何かが、ボタンの位置が、時間が・・ちょっと違っていたら、違った人生が有ったかもしれない。
子供の愚痴をこぼす周作に、「あんただって、相当に育てにくい子供だったわよ」と苦笑するおばあちゃんになっていたかもしれない母親だ。
そして「あんたのお父さんは、まったく役立たずだったわ」なんて愚痴もちょっと言ったかもしれない。
ほんのちょっとの偶然が人生を分けて、取り返しがつかない。
可愛そうな母親。
愚かで、切羽詰まっていて、いつも必死で嫉妬深い。
ひたすらに哀れで愛おしい。
明日は周作の面倒を見てくれた、皆瀬について書きたいと思います。
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チビ娘から土曜日に送った「パン食べちゃた」とLINEが届く。何か欲しいらしい。メロンを頼んであるが、まだ発送になっていないらしくて、「メロンが届かないよう」とスヌーピーが泣いている。
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最後までお読みいただきありがとうございました。