華寿過ぎて・・・これからの準備

華寿(70歳)を過ぎた独身女性、子供の無い不安、生活苦、節約、貯蓄など、時々生活の楽しみも書いています。

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久しぶりに胸に響いた物語「ウズタマ」。その誰もが、もしかしたら自分であっても不思議じゃない。4

3歳の周作とその父、幼い周作の面倒を見た村瀬、周作の母。どこにでも有りそうな家族を巡る、ある物語。誰も悪人じゃないのに・・・

 

 4.周作と紫織

 

周作は父が脳梗塞で倒れて、夜眠れなくなった。

家族がいないという孤独感に苛まされる。

父が倒れる前に渡された貯金通帳、その謎を解きながら、もう一人の家族を思い出す。

 

私も母が亡くなった時、もう私をこの世界に繋ぎ止めている絆は無くなったと思った。

すでに父は亡くなっていたし、姉には姉の子供たちがいる。

お前がいなくては生きていられない。なんて言う人はいなくなったと思った。

私が死んでも、あ~、そうなの・・という人はいても、だからどうという事も無い。

だから、この時の周作の淋しさはわかる。

そして、上司の山田さんを部屋に入れようとする、いわゆる「魔が差す」という状況も想像できる。

 

でも魔が差さずにハッピーエンドですがね。

 

何しろ、幼い周作は可愛い!!

皆瀬に一生懸命拙い絵を描きながら「なんでも券」を作っている周作。

塩ラーメンを作って貰って食べる周作。

風邪で寝ている皆瀬に桃の缶詰めを運ぶ周作

 

その幼い周作の為に、皆瀬は25年間を棒に振った。

28歳になった周作もやはり幼くて頼りないけれどもね。

そして、周作と再会した皆瀬は43歳になっている。

 

ここから、皆瀬の新しい世界が始まって欲しいな。

43歳だから、まだ年下の妻なら子供もできる。

まだまだ世界は広がっていく。

 

周作の恋人紫織は、小さな女の子を持つシングルマザー。

都心のマンションに住んでいる。

リビングと寝室が別れている部屋で、クーラーも有る。

紫織の住環境の良さにちょっと驚く。

だって、大凡50年前、私が都心で暮らした部屋は、木造モルタル2階建て。

勿論クーラー無し。

シングルマザーといえども、そこそこリッチ。

紫織は、穏やかに優しく周作を包んでいく。

そこに、なぜか周作の母親の姿がダブり、周作の母親も新しい生を生きているような優しさを感じた。

 

本当に、もう、嘘のようなハッピーエンド。

(小説だから嘘だけれどもね)

 

番外「ウズタマ」の謎

「ウズタマ」って何だ?と思いませんでしたか。

最初は「ウズシオ」なんて読んじゃいました。

そう、うずらの卵なんです。

サッポロ一番に野菜炒めを載せて、一番上にうずらの卵がひとつ。

周作の大好物だったんです。

レビューを見ると、「サッポロ一番」食べたい!!という方が多いですよ。

 

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小さな親切、大きなお世話

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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