土曜日の午後くらいから、ろくでもない事を思い出していた。
私のモットーは嫌な事は忘れる。なのだが、何故か過去の事にとらわれる一瞬が有るのだ。脳は想像でも現実でも同様に処理するというので、思い出すのは、ただ脳の傷になることで無駄だと思いつつ、そのような思いから抜け出せない。
その様な時「堀江貴文が明かす、仲間に裏切られたときの「絶対の対処法」」を読んだ。彼曰く、その方法は忘れる事だ。消去して新しい人間関係を築いていく方が建設的である。と言う。
裏切るヤツは、もともと悪人だったというよりも、やむにやまれぬ何らかの状況の変化に対応しただけなのだ。という。
確かにその通りなのだ。
1番はまだ実家の仕事をしていた時に、騙し取られた手形。
相手はその気で「二人で悪人になりましょう・・」と言ってある人と組んで手形を振り出させた。まぁ、振り出した私が馬鹿だが・・。ずっと後まで、私は実際に仕事をしてくれると思っていた。あれこれで納期が遅れていると思っていた。
突然行方不明・・、回った手形は善意の第三者とやらいう事で決済を迫られる。
最近では子供が入院して退院するのにお金が無いので5万円貸して下さい。仕事で返します。といわれ、会社のお金は動かせないので自分のお金を貸したら電話が通じなくなった。ある人は、社長にお金を借りたいが・・と何度も電話をかけて来て、無理だと思いますよというと、貴女が貸して頂戴という。何度も無理だと言うが執こさに負けて10万円貸せるが、無しの礫。ある人は午前中に130万円といわれ、慌てて定期を解約して入金するもその後は一切音沙汰無し。この人は実家がまだ営業していた頃お金も借りたりして、随分とお世話になったので嫌とは言えなかった。でも私が無理して返済していたのも知っていたはずなので、こちらにも返してくれると思っていたらそうでもなかった。今から思うと「私って馬鹿な奴だ!」とつくづく思う。
そんな事を思うと、ぐんぐん暗くなる。
どのお金も将来に向いていないお金だ。もったいない。
その上、付き合っていたその時は、どの人も「良い人だ」と思っていたのだ。
誰もが私を騙すつもりだったのかなと思うと、それも落ち込む。
しかし「やむにやまれぬ何らかの状況の変化・・」と思えば、自分だってどうなるかわからないじゃないか。だからこそ、どんな状況でも見捨てず寄り添う「玉依姫」とか「女房を娶らば」などという本が売れるのだろう。人々は無い物に夢を見る。
まぁ、しかし・・、今日食べる食事はある。寝る屋根も布団もある。今月給与をくれる仕事もある。今聴いている五嶋みどりのCD「アンコール!」は素晴らしい。Audibleで読んでくれる「平家物語」の言葉は飛び切り綺麗だ。14日には花菜ちゃんの新刊が届くかもしれない。
嫌な事、終わった事は忘れよう。
まだ歩きなおす時間は少々残っている。