何しろ長い物語が好きなので、32時間55分という長さが魅力である。
明治の人なので、身も蓋も無い表現が結構ある。
垢の厚さが器量の良さとか、チベット女性はかかあ天下だとか。
ヤクの毛を紡ぐのに、糸車も無く、手で紡ぐと書かれていたが、ほんの100年あまり前なのに、そうなのかと驚く。
この100年~150年の間の変化は激しいのだなと再度思う。
壬生義士伝で、南部藩の稲の収穫量について、幕末時20万石であったが、明治になり稲の品種改良で80万石(?)近くも収穫できたとある。
なぜ、徳川300年の間に品種改良がなされなかったのだろうかと不思議に思った。
同じように、糸を紡ぐのも、何百年も同じ手法で変えようとはしなかったのは何故だろうと思う。
チベットにも階級があり、最下級の人は同じ部屋で食事をすることもできず、婚姻もできないという。
どこの世にも差別は有るものだと思う。
聴くだけだと、遡るのが面倒なので、読む本をkindleで探すと、0円で読める。
それも青空文庫なので、持っていられるのは嬉しい。
あまりに面白かったので、つい「第二回チベット旅行記」を注文してしまった。