昔、同じ職場で働いていた人の消息が入る。
元気で頑張っている。
嬉しい知らせではあるが、じっと手を見る。
という心境である。
別に私が不幸だとは思わない。
眠れる屋根も、食べられる食料も、破けていない衣服もある。
でも、ちょっと寂しい気分になるのは何故だろう。
夫も子供も無く、仕事も定年後の再雇用で、財産も殆ど無い。
道を間違わなければ、彼女の様になれていただろうか・・
なんて、故も無い後悔が胸を横切る。
そんな時、
どうしても手放せない時代小説。
多分、現実逃避するには、設定がかけ離れている方がしやすいのだろう。
何て阿保らし!と思いながら、つい夢中になれる舞台設定がある。
ハラハラ、ドキドキ、そんな世界に、一瞬でワープです。
うじうじと、いじれているより、憂さを忘れて、夢中になっている方が単純だけれど幸せだものね。
火消しの話です。
カッコいいですよね。
江戸の華!
ところが、カッコいいだけじゃないんです。
個性的な登場人物なんですが、それぞれの
火への恐怖、ついでに妻への恐怖、弱みもたっぷり見せてます。
面白いです。
連載の常ですが、登場人物がどんどん成長していきます。
峠を乗り越えていきます。
お!!ぼろ鳶組!!
大向こうから掛け声かけています。
kindle unlimitedで読める本です。
そこが一番のメリット。
大好きな佐藤雅美著です。
この人の作風は特徴があって、結局人情に流されるんだよね。
居眠り紋蔵でもそうですが、できるだけ面倒な事には巻き込まれまいと思いつつ、いつの間にか渦中の人となる。
だから物語りになるんだけれど・・