今朝も「坂の途中の家」を聴きながら車を走らす。
何しろ16時間42分の作品なので、終わるまでに結構な時間がかかる。
裁判員になった3歳の子供を持つ女性が主人公で、子供を虐待で死なせてしまった母親の裁判に係る。
そこで徐々に明らかになる主人公の周囲。
結婚って、難しいなと思う。
いや、生きている事は難しいなと思う。
だって、主人公も犯人となった女性も、夫だけでなく、実家の両親とも、義父母ともすれ違っているのだから。
私の大学時代の友人が子供を産んで、
「泣き止まなくて、子供を床に叩きつけたくなる事がある」と言っていたことがある。
彼女はちょっと個性的で、小さい時に、メリーポピンズの真似をして傘をさして屋根から飛び降りたといっていたような女性である。
その時は、子育てはそんなに大変なのだな。と思う程度のことだった。
だから主人公が、泣き止まない娘を、膝の上から床に落としても、彼女の感情が煮詰まれば無い事ではないと思う。
この本には、子育ての女性が孤独になっていく心理が良く書かれている。
普通にちゃんと仕事をして、暴力を振るうわけでも、アル中でもない、ギャンブルで借金を作るわけでもない。
そんな夫でも、理解されていないと感じる主人公は孤独で追い詰められていく。
主人公は実の両親にも、夫にも、義父母にも批判されていると感じている。
何が怖いといって、夫も両親も義父母も、誰も意識して追い詰めているのではない事である。
まだ途中。
主人公は生き延びれるのか・・、何処で誰に救われるのか・・・
私の想像力は枯渇していて、まったく想像ができない。
主人公は追い詰められて、子供も置いて家を出るのか・・
そんな結末はちょっと怖い。
世の中に、これは正解だというような物は無く、ちょっと角度を変えれば、見えている者がまったく変わってくるのだと思う。
まだ、終わるまでに後2時間半。