「苦しくて切ない全ての人たち」を読んだ。
著者は恐山の副住職で、一時、この人の本を何冊か読んだものだ。
この本では、「命の種」と言う章に、ある住職に引き取られた3,4歳の子供の話が載っている。
彼は大人に虐められたのか、住職に連れられていったお寺でも小刻みに震えていた。
住職の妻は、彼を三晩添い寝して過ごした。
彼はのちに住職に話す。
お母さん(住職の妻)がぎゅっと抱きしめてくれて、「大丈夫だからね」「元気で頑張ろうね」と言った。それを支えに今まで生きてきたようなものだ。
3歳というと、身近にもその年頃の子供がいる。
あんな小さな子供が・・と思うと涙腺が緩む。
「あなたがそこにいてくれるだけでいい」と思う心は難しい。
ついつい、これだけやってあげれば、このくらいはやってくれるだろうと思う。
その反応が鈍ければ、つい、もう何もしてあげない・・などといじれてしまう自分がいる。
しかし、実は「あなたがそこにいてくれるだけでいい」のだ。
私にとっては、どれだけ、それを言い続けることができるか、それだけが問題なのだということを思った。
最後までお読みいただきありがとうございました。