「源氏の神霊」で主人公「タタル」が言った言葉です。
良く、あの人の家系は何々で・・なんて話をするでしょう?
家は昔は武士で・・とか、庄屋だったとか。
この本の著者「高田崇史」はミステリー×神社×古代史のようなシリーズを書いている。
平安時代末期、平家滅亡の時代、凡そ日本の人口は五百万人。
その内、人と呼ばれていたのは五位以上の官位150人程度、それ以外は庶民、つまり「人でなし」だった。
鬼や河童や蛙や土蜘蛛だったという。
そして、主人公「タタル」が、お前の家系は源氏か?と問われた時に答えたのが「「鬼」の家系です。」
つまり、庶民だという事だけれどね。
私は姉が言っていた、我が家の先祖は「由緒正しいアメーバー」というのが気に入っているけれどね。
人は何故か差別をしたがる。
大きく言えば民族問題、クルド人、ロヒンギャ、インドのカースト外の人達。
日本国内にも有るよね。かつて「人じゃない」と差別された人たち。
普通に付き合っていて、本当に優しくて良い人が突然「あの人たちは「人」じゃない」という。
ビックリするね。突然の言いように。
その様に言われた歴史と理由を知れば、そんな事言えないと思うけれどね。
その意味ではこの「QED」シリーズはとても良い本です。
神代の時代から紐解いて、鬼や河童や土蜘蛛を解明してくれるのだもの。
しかし、良く聞く河童伝説。鬼の伝説。
河童や鬼にされた人たちが居たんだ。
長野県は道祖神が多くて、男女が彫られた道祖神像も良く見られるが、掘られているのは猿田彦命と天之鈿女命らしい。
猿田彦命は天之鈿女命に殺されるので、何を今更仲良さそうにしているんだと思うけれど、神徳は、自分が叶わなかった事に霊験が有るというので、理屈は有っている。
長野県は縄文遺跡も多く、縄文は12000年近く続いていたので、その先住民を安曇族が征服し、また出雲族が征服し、さらにヤマト政権が征服してきた。
そして、各地に河童伝説や鬼の伝説が残された。そして税を払わぬ山の民や狩猟の民も「人でなし」されたらしい。
平安末期、圧倒的に「人でなし」、つまり鬼や河童や土蜘蛛が多かったのだから、現代人はこの「人でなし」の子孫の確率が多い。
そう考えたら、他人の事をいろいろ言えないよね。
最後までお読みいただき有難うございました。