宅急便の営業所にはリンゴを送る箱がズラリと並ぶ。
信州の人は、季節になると知り合いや親戚にリンゴを送りたがる。
ところが、今年はリンゴに異変有り。
4月に霜害があり、見栄えの良いリンゴが取れない。
今年のリンゴは予約されても約束できないという。
これは、ちょっと早めに手を打たなくては・・と思って、毎年送る箕輪の道の駅に出かけた。
すると、今年は「ふじ」の秀品、優品の予約は受けられませんという。
では、飯田の方へ行ってみようと、インターネットで評判の良い果樹園を探して出かけた。
遠い、遠い・・川添の山道を延々と探してたどり着いた所では
「自分で捥いで送ってください」
と言われる。
とてもそんな元気は無く、じゃあ、他を当たりますと後にする。
そろそろ道も暗くなり、帰りは高速を走って帰り着いた。
それが水曜日の話。
木曜日には上田の青果市場まで出かけ、リンゴの箱を覗く。
粒が小さくて見栄えがしない。
まだ、もう少し良い物が有るだろうかと、ここも見るだけにして帰る。
やはりフジの予約は取れないという。
色の良い赤いリンゴが5玉で3500円。シナノゴールドの大きなリンゴが1個500円。
どれも目の玉が飛び出る。
例年なら3500円を出せば大きな玉のフジが5kg箱で買える値段である。
しかし、毎年送っているんだもの、今年も待っているだろうと悩んでいると「このリンゴは現品限りです。もう出るかわかりません」という。
なんて、商売上手なおじさんだろう。
えい、や!と3500円の箱を買おうと思う傍から、おじさんは横に寄せる。
あっという間に他のお客さんが買っていった。
仕方なく、私はもう少し小玉で6玉入れ3500円を友人に送る。
送料1000円。合計4500円の出費である。
きっと友人は都会に住んでいるので、自宅の近くのスーパーで買えば、大きくて美味しいリンゴが買えると思う。
でも、経済効率だけの話じゃないよね。
信州のリンゴを食べてもらいたいという私の気持ちだから・・。
姉は、あまりに立派だからと1個500円の「シナノゴールド」を1個買ってきた。
ところが、日曜日、姉とスーパー銭湯に行くと、もっと大きな「シナノゴールド」5個入り600円で売っている。
もちろん、身割れの自家用だけれどね。
それにしても、500円のリンゴの1.5倍くらい大きなリンゴである。
食べたら、ちょっと渋みがあったけれど、自家用では充分だ。
最近は物の値段が良くわからない。
最後までお読みいただき有難うございました。