華寿過ぎて・・・これからの準備

華寿(70歳)を過ぎた独身女性、子供の無い不安、生活苦、節約、貯蓄など、時々生活の楽しみも書いています。

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男は志に生き、女は・・。中島歌子「恋歌」に想う

Audible で「恋歌」を聴く。

朝井まかて直木賞受賞作品である。

以前読んだときは、中島歌子の

 

君にこそ恋しきふしは習いつれ、

      さらば忘るることもをしえよ

 

という歌の新鮮さに打たれたばかりであったが、

今回は、水戸の天狗党と諸生党の確執、それに翻弄された女と子供達の姿が見えた。

同じ本を読むのに、見えるところがまるで違う。

それも読書の醍醐味であろう。

華やかで、我儘で、才能ある歌人「中島歌子」

しかし、最後は天狗党の志士の妻として見事に生き切った。

諸生党の遺児である、元養女すみの三男廉に家を譲った。

天狗党と諸生党と、水戸の大地への鎮魂の祈りとして。

 

それをあの世で夫に報告する時、彼女の夫は、彼女のした事を喜ぶのだろうか。

それが私には疑問だった。

何故なら、天狗党と諸生党の闘争が、あまりにも家族も巻き込み残虐だったので。

しかし、やはり、歌子の夫は喜ぶだろう。

だって、彼も、この世界の理想に向かって、志に生きた志士だもの。

 

「朝井まてか」のインタビュー記事も面白かった。

2014年4月号掲載 著者との60分 『恋歌』の朝井まかてさん

水戸藩のことや、天狗党のことも知りたいと思い始めた。

朝井まてかは、本屋さんに住みたいと思うくらい、本屋さんが好きだったそうだ。

その辺は共感を呼ぶ。

 

私も、本屋さんや図書館に行くと、いろんな宇宙が漂っているような錯覚を感じる。

一つの作品に感情を動かされ、次へと興味が繋がっていき、新しい世界が見えてくる。

やはり人生は楽しい。

 

最後までお読みいただき有難うございました。

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