Audible で「恋歌」を聴く。
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以前読んだときは、中島歌子の
君にこそ恋しきふしは習いつれ、
さらば忘るることもをしえよ
という歌の新鮮さに打たれたばかりであったが、
今回は、水戸の天狗党と諸生党の確執、それに翻弄された女と子供達の姿が見えた。
同じ本を読むのに、見えるところがまるで違う。
それも読書の醍醐味であろう。
華やかで、我儘で、才能ある歌人「中島歌子」
しかし、最後は天狗党の志士の妻として見事に生き切った。
諸生党の遺児である、元養女すみの三男廉に家を譲った。
天狗党と諸生党と、水戸の大地への鎮魂の祈りとして。
それをあの世で夫に報告する時、彼女の夫は、彼女のした事を喜ぶのだろうか。
それが私には疑問だった。
何故なら、天狗党と諸生党の闘争が、あまりにも家族も巻き込み残虐だったので。
しかし、やはり、歌子の夫は喜ぶだろう。
だって、彼も、この世界の理想に向かって、志に生きた志士だもの。
「朝井まてか」のインタビュー記事も面白かった。
2014年4月号掲載 著者との60分 『恋歌』の朝井まかてさん
朝井まてかは、本屋さんに住みたいと思うくらい、本屋さんが好きだったそうだ。
その辺は共感を呼ぶ。
私も、本屋さんや図書館に行くと、いろんな宇宙が漂っているような錯覚を感じる。
一つの作品に感情を動かされ、次へと興味が繋がっていき、新しい世界が見えてくる。
やはり人生は楽しい。
最後までお読みいただき有難うございました。