第三幕の展開
小玉の「文林に新しい出会いをあげよう計画」により、後宮から出る女官に言葉を賜る事になってしまった文林。
流れ作業で、言葉をかけていた文林が「謝月枝」に名前を聞く。
新しい妃嬪が誕生した。
そして、宮廷は「きな臭い」状況が満ちてきた。
その「きな臭さ」の討伐に出た小玉は、この戦いで親友の明彗を失う。
小玉、駄々洩れの愛情を示す
寵姫(だと思った)謝月枝の出現で、しばらく共寝が途絶えていた文林と小玉であった。
それは、文林に反対する勢力を炙り出すために、彼が仕組んだ策略だと知れる。
文林が刺客に襲われた、その時、彼(文林)が死ぬかもしれない。その焦燥感が小玉に率直な口説き文句を言わせる。
・・もう私の宮に戻って来て、で、わたしと一緒に寝よう。ずっと一緒に寝よう。でないとわたし嫌だ・・
この素直さ、いいなぁ・・
誰もが、素直に好意を言えなくて道が曲がる事があるものね。
この率直な愛情表現は、彼女の性格なんだろう。
小玉付の宦官、清喜にもすなおな感情を吐露する。
・・・死なないでほしいってことよ・・
明彗を失い一人池のほとりで寝転ぶ小玉の横に文林は座る。
それを当然と思う小玉。
座った彼の膝に頭を置き、「もう、あなたしかいない・・」と言う。
そして思う。
きっと、自分にはもうこの男しかいないのだ。
う~~ん、ご多忙な皇帝が、仕事も何もかも放り出して、横に座ってくれる。
いいよね。こんな愛情表現。
この場面は大好きだ。
そんな中でも、育てている亀を食べようか?とか、わけわかんない方向違いの会話も取り混ぜているのが、上手い。
大向こうから声を掛けたい。
よ!日本一!
そして、文林がお忍びで小玉を誘った麵屋で、ポロポロと泣く小玉の涙を拭く文林。
この場面も好きだ。
すなおに文林の小玉への愛情が良く書かれている。
小玉も、文林の愛情を素直に受け入れている。
これでも、男と女としてはダメなのかね~~
最後に・・
今回は、文林が小玉に対して持っている感情が明らかにされた。
・・文林にとって小玉は母であり姉であり妹であり友人であり妻であり、時にそれらの区分を超越した存在であり・・
・・自分があらゆる方面での執着を彼女に持ってしまっていなければ・・
つまり、女性の全てなのね。鬱陶しいような、羨ましいような・・
小玉と明彗の出会いから、二人して軍隊で昇進していく経過も書かれていて、少女達が暗い時代を明るく駆け抜ける様子が目に見えるようだ。
いつの時代も若いって素晴らしい!!
今回、後半の文林は、なかなか素敵な男である。