土、日とベトナム旅行の用意をしなくては・・と思っていた。
しかし、土曜日は久しぶりに友人とお茶で終わり、日曜日もそそくさと荷物を詰めて、本を読みふけった。
「天に星、地に花」著者、帚木蓬生の上下巻である。
ちょっと長い。
この本については、別途書きたいと思う。
この本の中に、主人公が師事した医師に仕える端下女「つる婆さん」という女性が出てくる。
朝から晩まで働き、主人に眠った姿も、食事をしている姿も見せず、40年間仕え続け、朝、起きてこないので見に行くと、眠るような安らかな顔つきのまま、こと切れていた。
ある意味、私の理想である。
それは、淡々と毎日の仕事をこなし、献身の日々を送り、安らかに人生を閉じられる。
なぜ、彼女はそんな献身の生涯が送れたのだろうか。
楽をしたいと思わなかったのだろうか。
お金を貯めたいと思わなかったのだろうか。
贅沢をしたいと思わなかったのだろうか。
なぜなら、私は放っておかれたら、好きな果物でもちょっと食べながら本でも読みふけって日を過ごしているだろう。
そこには、自分の欲求を満足させるという以外のものはない。
毎日、今日は勤めを休もうかと考えている。
先日の未来食堂も、基本1人で繰り回している。替えの効かない仕事を切りなく続ける。
どこから、その気力が出てくるのだろうと思っていた。
けれど、私も仕事には出る。
それは、仕事という名前に魔力が有るのだろう。
仕事はしなくちゃいけないものだという刷り込みもある。
この仕事という名前の魔法が無くなったら・・
解放されることを憧れつつも、その時の自分がちょっと不安だ。