華寿過ぎて・・・これからの準備

華寿(70歳)を過ぎた独身女性、子供の無い不安、生活苦、節約、貯蓄など、時々生活の楽しみも書いています。

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魔が差す

安曇野だより

 すごく寒い日です。窓から覗く外の様子も、まだ3時なのにまるで夕方の様です。天候で気分も左右されます。この様に寒いのに花粉も飛び始めました。

魔が差す

 人生には何が起こるかわかりません。私は若い頃から計画を立てるのが好きでした。例えば、毎月うん万円を貯蓄して、うん十年でいくらとか、だいたい何年頃に何をしたいとか。でも、実家を整理する事になって、いろんな計画なんて吹っ飛んでしまいました。それまで慎ましく貯金をしていたお金も勿論無くしました。だから、平均何歳の貯蓄額とか言われても、まったく比較になりません。それが48歳の頃です。今思えばまだ若かったと思います。まだ、これから十分やり直せると思っていましたが、それから、逆転大ホームランは打てませんでした。

 会社で労災で休んでいる人がいます。3か月の予定でしたが、再手術となり、休職期間が延びそうです。出社しても、現場復帰は難しそうです。多分、彼は1年前にはこのような事は考えてもいなかった事と思います。思いがけない病気で退職した人もいました。まだ若かったので、療養後の再就職にてこずっている様でした。離婚して養育費を払うのに苦しんでいる人もいます。誰も、そんな事を想像していなかったでしょう。誰も事故の予定とか、病気の予定は立てませんから。

 人生はどんなに用意周到に考えていても魔が差すものです。だから面白いなんて言えるのは、たいした魔ではないからです。もしくは通り過ぎることができた案件だからでしょう。通り過ぎて、余裕ができてから言える言葉でしょう。何でもその渦中はただひたすらモガクだけです。魔が差して人生をグッと回転させてしまう。そんな事が誰にでも1回や2回は有るのではないでしょうか。3回も4回もしたくは無いですけどね。

 魔はさすものですから、自分の意志というような言えないような・・、うんと言わなければよかったのに、何となく言ってしまった。いつもは持たないものを持ってしまった。訳がわからない現象です。差すものはさすので、問題はその後です。どうしたら、そのマイナスを反転できるのか。

 すごくつまらない結論ですが、真面目にこつこつ生活するより方法は無いのでしょうね。

まず、自分の命が有ることを確認する。生きている。死んでしまったら問題は解決しますけれど、取り敢えず生きている事に感謝する。裸ではいない事に感謝する。さしあたり着られる洋服もあります。センスや材質は別ですが。今日食べる食事もあります。足を延ばして眠れる布団と屋根もあります。とりあえず、今月食べられるお金もあります。今月働けば来月もきっと食べられる。1ヶ月働けると思える体力もあります。まず最低限の武器は装備しているわけです。後は少しづつプラスを残していくことですよね。それしか方法は無い。

 どうしてこんな事をグズグズ書いたのか。土日と休んで、久しぶりの出社に、ふと「もう生きているのも嫌だな」と思ってしまいました。小魔が横を通り過ぎました。何というか、天気が暗くて背中が重いとすぐ生命力が希薄になる。

 

 この本を昼休みに読み始めて、ついつい読んでしまいました。

近年の時代小説の名手、今井恵美子の「渾身の最高傑作!」という帯が付いている。

今の私には綺良という文字が眩しい。それだけで手が吸い寄せられる。 

綺良のさくら

綺良のさくら

 

 生き生きとした名前にも似たキラキラした少女、綺良。それが幼馴染で初恋の彦六郎と出会えるか、結ばれるか・・その興味だけで1冊読み切ってしまった。

そして、最後に綺良は「おら負けねえだ」と呟く。強いなぁ・・。今の私は「おら負けちまっただ・・」と呟いて早くぬくぬくと温めた布団に潜り込みたい。

 

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