先日、大町市の旧八坂村にある温泉に、お昼を食べに行って来た。
ここは手打ちそばと灰焼きおやきが名物だ。それを目当てに延々と山道を走って行った。
その日はお天気が良かったのだが、道には薄っすらと雪もあり、坂道はちょっと怖かった。そして、お蕎麦、なぜか手打ちとは思えないお蕎麦。ちょっと残念。おやきは美味しかった。明科にあるJAのお店にも灰焼きおやきが出されていたが、造り手が高齢で止めてしまったらしい。長野県は本来は貧しい土地で、お米も取れずにおやきが食事として作られたという。南信では具に秋刀魚のぶつ切りが入ったおやきもあるという。
今は結構名物としておやきがあちこちで売られているが、この温泉のおやきは灰焼きおやきといわれる種類で、焼きたてはフランスパンにちょっと似ているが、1日置くとコチコチに硬くなる。具はおから。1個食べれば充分だ。1個税込み240円。今の所、あちこちのおやきの中ではピンのピンである。
そこの温泉に名前の由来が載っていた。
紅葉鬼人と有明山の八面大王の間に金太郎が生まれて、その金太郎の金と一緒に遊んだ熊に由来して金熊温泉(書いちゃった・・)というのだそうだ。
金太郎は足柄山じゃなかったのかい?ビックリ!シャックリ!だ。
それとも、金太郎という名前は誰もがつける名前なのかな。どこそこの太郎ちゃんというくらいの話なのかな。あちこちに熊と遊んでいる○○山の金太郎君がいるのかしら?
子供の頃の味覚は不思議に定着して、東京にいる時は、七夕に作る蒸かしたお饅頭が食べたくて仕方がなかった。具はお茄子とか野沢菜が入っている。あんこも有った。
こちらに帰ってから、県外の友人が遊びに来ると、珍しい物と思い、自分も美味しいと思っているのでおやきを勧めるのだが、再度リクエストしてくる人は1人もいない。
信州名物イナゴ、蜂の子、ザザ虫、蚕の蛹、今ではどれも珍味だけれど、ここまでして食べなくてはいけなかったほど貧しかったのだなと思う。