華寿過ぎて・・・これからの準備

華寿(70歳)を過ぎた独身女性、子供の無い不安、生活苦、節約、貯蓄など、時々生活の楽しみも書いています。

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300冊スタート(85)

1.白に染まる 着物始末暦(九)中島要

2.心がラクになる生き方 南直哉

3.引っ越し大名三千里 土橋章宏

4.天に星 地に花(上) 帚木蓬生

5.天に星 地に花(下) 帚木蓬生

6.水神 (上)帚木蓬生

7.水準 (下)帚木蓬生

 

今回はまぁ、どれも秀品であったけど、特に「天に星 地に花」の上下巻、「水神」の上下巻はつい読みふけってしまった。昨日更新しなかった理由は「水神」下巻を読んでいたからである。

まず、著者 「帚木蓬生」の経歴に驚かされる。東大仏文科を卒業後、九州大医学部を卒業している現役の医師である。その傍ら、多くの著書を執筆している。

世の中には頭の良い人がいるものだ、凄いもんだというのが正直な感想だ。誰にでも24時間は平等だと言われるが、本当かと疑わしくなる。勉強だって、仕事だって、同じ時間で同じ量が消化できるとは限らない。私は時間の使い方が無駄だと、ちょっと自分を責める。

この2作の舞台は九州、江南原地方。筑後川が流れているが、土地が川より高いという地形的な理由から水不足に悩まされていた。「水神」はこの筑後川から水路を引くという話である。「天に星、地に花」は大庄屋の次男が医師となる過程が書かれている。

今まで、庄屋とは、今の村長の様なものかと思っていたが、百姓、庄屋、大庄屋、領主の関係が良くわかって、それも面白かった。

両著とも、まず描かれているのは、現在では想像もつかない貧しさである。殆どが食べるに一生懸命という、命さえも繋ぐことが危ういという貧しさである。勿論領主からの搾取もあるが、天災による作付け不順が根本にある。毎年毎年、日照不足、日照り、水害、風害に襲われる。年貢さえも借金しなければ払えない状況が続く。

作物の品種改良しなくちゃいけないじゃない、病虫害の駆除研究しなくちゃいけないじゃないと思うのだが、明日のために藁を砕いて、藁餅を作ろうという状況では、そんなことは論外だ。余裕が無ければ、今、役に立たない事など何もできない。僅かでも、余裕を作ることは必要なんだと、改めて実感する。明日に羽ばたくためには、力を貯めなくてはいけない。

現代は品種改良も耕地整備も進み、丁度今は稲が黄金色に色づいてきた。食べるものも外国から輸入が多く、お金さえあれば食べるのに不自由しない。それどころか、1食数万円~数十万円というTV番組も高視聴率を獲得している。土地に縛られ、一生満腹することも無い生涯からは解放されている。そして、~堰という地名を見ても、別に何の感慨も持たず、水はそこを流れているものだと思っていた。

今、私は勤めているので、土地を耕しているわけでは無い。だから、出来る事はやはり勤める事だ。やはりできるだけ働こう。それが私の身分相応だ。できる事を出来るだけ力を尽くし生きていこう。そして、慎ましく・・。

 

白に染まる 着物始末暦(九) (時代小説文庫)

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引っ越し大名三千里 (ハルキ文庫)

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天に星 地に花 上 (集英社文庫)

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天に星 地に花 下 (集英社文庫)

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水神〈上〉 (新潮文庫)

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水神〈下〉 (新潮文庫)

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